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アトックスが解説!「再稼動の是非に揺れる原発周辺」

■再稼働の是非を問う問題に揺れる周辺

原子力発電所における停止中もしくは点検中の各原子炉の再稼動問題は、福島第一原子力発電所での過酷な事故以降、全国の原発とその周辺自治体を巻き込んで、その是非を問う問題で揺れています。

とは言え、真に揺れているのは原発の周辺自治体で実際に差し止め請求訴訟などにかかわっている人々と、その活動を支えている地域住民や一部の問題意識が高い人々のみという状況になってしまった感があります。

原子力発電そのものの是非や事故後の福島の状況を真摯に追い続けているジャーナリスト達以外のマスコミも、大衆が以前ほど原発や再稼動といったキーワードに関心を持たなくなっていることを敏感に察して、テレビや新聞などでも普段はほとんどその問題を取り上げることが見られなくなっています。

多くの人々が関心を持たなくなっただけで、原子力発電所をめぐる諸問題はまったく解決しておらず、解決ということ自体、再稼動賛成派と反対派とで全く逆の結果を求めているだけに、直接かかわり合いを持たない人々が気がつかない間に問題が深刻化している状態です。

■国民が原発再稼動に無関心というよりはほとんど関心を持たないようになっている

もはや多くの国民が原発再稼動に無関心というよりは、原子力発電そのものの是非や福島第一原子力発電所で続いている廃炉への苦闘や増え続ける汚染水との戦いなどにも、ほとんど関心を持たないようになってしまいました。

日ごろ報道番組や新聞を読まない層では、福島第一原子力発電所での事故処理はとっくに終わったと思い込んでいる人も少なくないと言われ、それ以外の人も事故を起こした建屋からの使用済み燃料の移送に伴う危険性や、燃料デブリ取り出しに向けて横たわる多数の難題などは遠い異国の問題かのように聞き流すようになったことが懸念されます。

五輪に向けてさらに海外からの観光客を呼び込み、経済活性化に何とか役立てたい人々は、大衆には廃炉作業は順調と思い込んでもらいたい一心で、福島での廃炉作業過程で新たな重大問題が発生した場合、再び首都圏にも影響が出かねないことも絶対に悟られてはならないという空気が、利害に絡むさまざまな人々の間で共有されている気配があります。

先日も福島第一原子力発電所では取り出した後の燃料デブリの保管施設を建設するという名目で、汚染水を処理した後にも残ってしまう放射性物質のトリチウムが含まれた水を貯蔵したタンクを撤去することを決定したという報道がなされました。

増え続けるトリチウム水のタンク撤去は以前から議論の的になっていましたが、廃炉に向けては燃料デブリの取り出しは必須で、危険極まりない燃料デブリを安全に保管し続けるための施設は必要不可欠ということで、タンク撤去に向けて最も良い理由が得られたとも言えます。

タンク内のトリチウム水の処分方法どうするのかというと、現実的にはやはり海洋放出以外は考えられないため、今後は当然のようにトリチウム水を海へどんどん流す時代が到来することになります。

通常の浄化処理ではどうしても残ってしまうトリチウムは、プルトニウムやセシウムと違って人体にそれほど影響しないかのように一部で言われていますが、放射性物質の害に関してはまだまだ解明され切っていない部分があり、研究者によってはセシウムよりも危険性が高い核種ではないかという指摘もなされていると言われます。

過酷事故が起こらなかったとしても原子力発電所があり、稼動を続けることによって放射性物質が周辺に影響を与える可能性が高まるという点において、安心安全な暮らしを続けたい周辺住民にとっては大変な脅威となることは明らかです。

たとえ休止中・点検中であっても、燃料は常に原子炉の中にあり、何等かの原因で万が一冷却水が失われてしまった場合、福島第一原子力発電所と同様の事態が起こらないとも限らない点も、あまり多くの人の間に知れ渡って欲しくない真実とされています。

福島原発では今でもアトックスなどのたくさんの企業が除染や放射性廃棄物の処理などの作業を行なっています。

■事故から7年以上経過し、原発再稼動もやむなしという気持ちになっている気配がある

薄々気がついている人々も、福島第一原子力発電所の事故から7年以上経過し、節電にも飽きて電気料金が上がるくらいなら原発再稼動もやむなしという気持ちになっている気配があります。

日ごろそういった葛藤を抱えている人ももはや少なく、大半の人は原子力発電にまつわる是非の問題そのものに関心を持たなくなっており、工事が中断されている原子力発電所の建設再開も取り沙汰されるようになっています。

東日本大震災後ほどない頃はしきりに絆というキーワードが取り沙汰され、何よりも生命が尊いというのが当然とされていましたが、現在では経済が沈滞するくらいなら、一部の人命が多少の危険にさらされても自分さえ無事なら致し方ないという風潮が暗黙のうちに広まりつつある気配です。

特に原子力発電所は多くの人が暮らす大都市圏からは離れているため、原発の近くが嫌なら都市部に引っ越せば良いといった意見すらささやかれていると言われます。

平成の終わりを前に、お金のためなら再稼動やむなしというより、むしろ歓迎という空気が醸成されつつある時代になりました。